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2025. 6.22 礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【タイトル】

黙示録(33)「七つの鉢の裁き③―大バビロンへの裁き②―」

【聖書個所】

黙示録18:1~24

【前置】

 先週、終末のこの世である大バビロンへの裁きが17章と18章で語られていると言った。そして前回はその17章で、反キリストがこの世の政治的な王として現れることと共に起こる大バビロンへの裁きの様子を見た。今日はその18章から、大バビロンがこの世を経済的に支配していた王国、この世の富を支配していた王国として裁かれることを見ていく。その裁きと滅びについて、ヨハネは天からの声を聞いた。三人の御使いの声、勿論それは神の声でもあるのだが、その声を聞いたのである。なので、私たちも今日、その声が語るこの世の富、経済を支配していた大バビロンへの裁き、滅びについて見て行こう。その声を聞いて行こう。その3つの声の箇所を分けて読みながら、メッセージを進める。

【本論】

(1)第一の声が告げる裁き

黙示録18:1~3:「この後、私は、もうひとりの御使いが、大きな権威を帯びて、天から下って来るのを見た。地はその栄光のために明るくなった。彼は力強い声で叫んで言った。『倒れた。大バビロンが倒れた。そして、悪霊の住まい、あらゆる汚れた霊どもの巣くつ、あらゆる汚れた、憎むべき鳥どもの巣くつとなった。それは、すべての国々の民が、彼女の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲み、地上の王たちは、彼女と不品行を行い、地上の商人たちは、彼女の極度の好色によって富を得たからである。』」

 この箇所は、この世の富と経済を支配していた大バビロンの神による裁きと滅びを告げる、この箇所の序章である。どこにこの世の富と経済に関することが記されているかというと、Ⅴ3に、「彼女の不品行」という言葉が2回出て来るが、この「不品行」という言葉と、続けて、「地上の商人たちは、彼女の極度の好色によって富を得たからである。」という中の「好色」という言葉が、その富と経済に関わる言葉なのである。「不品行」は、ポルノという言葉の元である「ポルネイアス」(ギリシャ語)なので、直接的には性的不品行を意味するが、「地上の商人たちは、彼女の極度の好色によって富を得たからである。」の「好色」が単に性的欲望だけでなく、脚注に「ぜいたく」ともあるように、「欲望三昧、贅沢三昧」という意味の「ステレーノス」という言葉であり、だから、「不品行」も「好色」も、人の心から生まれる肉欲、貪欲、特に富や経済に関する肉欲、貪欲をも意味しているのである。なので、御使いはその欲によって支配されている大バビロンが、「彼女の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲み」とあるように、神の激しい怒りの裁きに遭うのだと告げている。しかし、裁きだからと言って、暗いトーンではなく、明るい光を帯びたトーンで告げている。

V1:「この後、私は、もうひとりの御使いが、大きな権威を帯びて、天から下って来るのを見た。地はその栄光のために明るくなった。」

 そして、このことは誰に告げられているのか?―この幻を見たヨハネであり、今日の私たち、神を信じる信仰者にである。このように、先ず大バビロンに対する裁きというのは、私たち信仰者にとっては、「地はその栄光のために明るくなった。」とあるように、明るい展望を見ることでもある。

(2)第二の声が告げる裁き

 この声の箇所はV4~V20だが、ここには二つのメッセージがある。一つは、この世の富と経済を支配していた大バビロンへの裁き、滅びがどのようなものであるかということ。二つ目は、その裁きがあるがゆえの、私たちに対するメッセージである。

 先ず、「この世の富と経済を支配していた大バビロンへの裁き、滅びがどのようなものであるか」について。

V8~V10:「それゆえ一日のうちに、さまざまの災害、すなわち死病、悲しみ、飢えが彼女を襲い、彼女は火で焼き尽くされます。彼女をさばく神である主は力の強い方だからです。彼女と不品行を行い、好色にふけった地上の王たちは、彼女が火で焼かれる煙を見ると、彼女のことで泣き、悲しみます。彼らは、彼女の苦しみを恐れたために、遠く離れて立っていて、こう言います。『わざわいが来た。わざわいが来た。大きな都よ。力強い都、バビロンよ。あなたのさばきは、一瞬のうちに来た。』」

 神の裁きが一日の内に余りにも激しく為されるので、大バビロンとの不品行によって富を得ていた王たちは、自分たちにその災いが及ばないようにと、遠く離れて立ち、「わざわいが来た。わざわいが来た。」と言って、嘆き悲しむと言う。また、王たちだけでなく、その富をもたらし、世界の経済を支配していた商人たち、また、品物を流通させるため商人たちと共に働いていた船長やその船で働く人たちも、神の裁きが一日のうちに余りにも激しく行われ、その結果、大バビロンが裁かれて滅びるのを見て、泣き悲しむと言う。それが、Ⅴ11~V19で語られている。

V11~V19:「また、地上の商人たちは彼女のことで泣き悲しみます。もはや彼らの商品を買う者がだれもいないからです。商品とは、金、銀、宝石、真珠、麻布、紫布、絹、緋布、香木、さまざまの象牙細工、高価な木や銅や鉄や大理石で造ったあらゆる種類の器具、また、肉桂、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、麦、牛、羊、それに馬、車、奴隷、また人のいのちです。また、あなたの心の望みである熟したくだものは、あなたから遠ざかってしまい、あらゆるはでな物、はなやかな物は消えうせて、もはや、決してそれらの物を見いだすことができません。これらの物を商って彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみを恐れたために、遠く離れて立っていて、泣き悲しんで、言います。『わざわいが来た。わざわいが来た。麻布、紫布、緋布を着て、金、宝石、真珠を飾りにしていた大きな都よ。 あれほどの富が、一瞬のうちに荒れすたれてしまった。』また、すべての船長、すべての船客、水夫、海で働く者たちも、遠く離れて立っていて、彼女が焼かれる煙を見て、叫んで言いました。『このすばらしい都のような所がほかにあろうか。』 それから、彼らは、頭にちりをかぶって、泣き悲しみ、叫んで言いました。『わざわいが来た。わざわいが来た。大きな都よ。海に舟を持つ者はみな、この都のおごりによって富を得ていたのに、それが一瞬のうちに荒れすたれるとは。』」

 彼らはどんな思いで大バビロンが滅んで行くのを見ていたことだろう?!

 二つ目は、私たちに対して語られているメッセージだが、それは今日のメッセージの中心ポイントであり、結論でもあるので、第三の声が告げる神の裁きの箇所の後に語る。

(3)第三の声が告げる裁き

V21~V24:「また、ひとりの強い御使いが、大きい、ひき臼のような石を取り上げ、海に投げ入れて言った。『大きな都バビロンは、このように激しく打ち倒されて、もはやなくなって消えうせてしまう。立琴をひく者、歌を歌う者、笛を吹く者、ラッパを鳴らす者の声は、もうおまえのうちに聞かれなくなる。あらゆる技術を持った職人たちも、もうおまえのうちに見られなくなる。ひき臼の音も、もうおまえのうちに聞かれなくなる。ともしびの光は、もうおまえのうちに輝かなくなる。花婿、花嫁の声も、もうおまえのうちに聞かれなくなる。なぜなら、おまえの商人たちは地上の力ある者どもで、すべての国々の民がおまえの魔術にだまされていたからだ。また、預言者や聖徒たちの血、および地上で殺されたすべての人々の血が、この都の中に見いだされたからだ。』」

 イエス様はある時弟子たちに、マタイ18:4~6:「だから、この子どものように、自分を低くする者が、天の御国で一番偉い人です。また、だれでも、このような子どものひとりを、わたしの名のゆえに受け入れる者は、わたしを受け入れるのです。しかし、わたしを信じるこの小さい者たちのひとりにでもつまずきを与えるような者は、大きい石臼を首にかけられて、湖の深みでおぼれ死んだほうがましです。」と言われたが、これは、天の御国に入る、それも最も相応しい者、一番偉い人として入る者の姿が教えられている個所であり、またその逆である、天の御国に入ることの出来ない者、それも最も相応しくない者として入ることの出来ない者、つまり、黄泉の深みに入るという神の裁きを受ける者の姿を教えているところです。だから、この第三の声が告げている神の裁きは、イエス様が語られたメッセージと同じように、神を神としない高ぶりに満ちた大バビロンは、バベルの塔やソドムもゴモラのように裁かれる、滅ぼされるということである。

 さて、いよいよ今日の中心的メッセージ、今日のポイントです、それは、

V4~V5:「それから、私は、天からのもう一つの声がこう言うのを聞いた。『わが民よ。この女から離れなさい。その罪にあずからないため、また、その災害を受けないためです。なぜなら、彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神は彼女の不正を覚えておられるからです。』」

 神はかつて、ソドムに住むアブラハムの甥のロトの家族に対し、ソドムの町を離れるように命じた。(創世記19章)それは、その時ソドムは罪に満ちていて、神がソドムとゴモラを滅ぼそうとされたが、「神はアブラハムを覚えておられた。」(創世記19:29)とあるように、神はアブラハムのゆえにロトの家族を救おうとされたからである。この時のソドムとゴモラは、ロトがその場所を選んだように、その地は富と経済に満ちて潤っていたが、バベルの塔を建てようとしていた時と同じように、神抜きの繁栄を求める国、大バビロンであった。だから神は私たちに、


Ⅴ4~V5:「わが民よ。この女から離れなさい。その罪にあずからないため、また、その災害を受けないためです。なぜなら、彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神は彼女の不正を覚えておられるからです。」と命じられたのである。


そして、

V6~7:「あなたがたは、彼女が支払ったものをそのまま彼女に返し、彼女の行いに応じて二倍にして戻しなさい。彼女が混ぜ合わせた杯の中には、彼女のために二倍の量を混ぜ合わせなさい。彼女が自分を誇り、好色にふけったと同じだけの苦しみと悲しみとを、彼女に与えなさい。彼女は心の中で『私は女王の座に着いている者であり、やもめではないから、悲しみを知らない。』と言うからです。」

 神の裁きには不公平はない。必ず正しく裁かれる。犯した罪に対しては、それに応じて相応しく裁かれるのである。撒いた種は必ず刈り取るように。特に、Ⅴ7b:「私は女王の座に着いている者であり、やもめではないから、悲しみを知らない。」という高慢な者に対しては、それに相応しい裁きがある。ルカ18章のパリサイ人と取税人の話は、それを教えている。自分を高くする者は低くされ(裁かれ)、自分を低くする者は高くされる(救われる)のである。そして、V20:「おお、天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ。この都のことで喜びなさい。神は、あなたがたのために、この都にさばきを宣告されたからです。」とあるように、私たちは神の為された正しい裁きのゆえに、神をほめたたえて、喜ぶのである。ハレルヤ!

【結論】

私たちの主は、このように私たちを贖い救い、悪しき者たちを裁かれる。だから主をほめたたえよう。ハレルヤ!アーメン!

―祈り―


 
 
 

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