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2025. 5.25 礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【タイトル】

黙示録(31)「7つの鉢の裁き①―不信者への最後の裁き―」

【聖書個所】

黙示録16:1~21

【前置】

 第7のラッパが鳴った後の、この地にもたらされる第3の災いであり、イエス・キリスト再臨前の、未信者に対する最後の裁き、「神の怒りの満ちた7つの金の鉢」による裁きの時が来た。今日はその箇所に入る前に、これまでの復習も兼ね、黙示録の全体像をもう一度掴んで置く。

 終末の裁きの預言としては、巻物の7つの封印が解かれる度に語られた預言(黙示録6:1~8:1)、7つのラッパが吹かれるために示された預言(黙示録8:7~11:15)、そして、今日の7つの金の鉢による裁きの預言(黙示録16:1~18:24)があるが、そこには一貫したメッセージがある。それは、終末の時には神による正しい裁きが行なわれ、不信者や不敬虔な者、また、サタンや反キリスト、偽預言者たちは最後には神の裁きに会うというものです。そして、それらは初めに語ったように、直線的、時系列的に記されているものではなく、螺旋階段的に記されているものだということだった。段々と上に登るに連れ、つまり、初めは巻き物の封印が順次に解かれ、次にラッパが吹かれ、最後には今日の7つの鉢がぶちまかれることにより、裁きの啓示が記されているというものだった。そして、概略的に言うと、封印の段階では神の裁きの原則的なもの、ラッパの段階では進行拡大して行くもの、そして今日の7つの鉢による裁きは完結篇として記されているということです。これで裁きは終結し、主の再臨を迎え、千年王国の時に入るというものである。

 そしてもう一つ、その螺旋階段に関連して言うと、7つの封印の最後の封印が解かれて、その階段を上ると、その階段は次の7つのラッパの一つ目につながり、7つのラッパの最後のラッパが吹かれると、7つの鉢の一つ目の鉢の裁きの道に通じているというように、3つの裁きはバラバラではなく、連結していて、3つの裁きのそれぞれの終わりでは、必ず最終的な裁きの預言、つまり、新天新地に入る前の、白い大きな御座が開かれる最後の審判のことと、その審判による神の御国の完成に関わることが預言されている。黙示録での終末預言の構造はそのような構造になっているということ。例えば、第7の封印が解かれる所では、「御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。」(黙示6:17)と、最後の審判の日のことが語られ、「なぜなら、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となり、いのちの水の泉に導いてくださるからです。また、神は彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださるのです。」(黙示7:17)と、新天新地のことを思わせる預言が語られて、最後のラッパが吹かれた所では、「この世の国は私たちの主、およびそのキリストのものとなった。主は永遠に支配される。」(黙示11:15)と、御国の完成が告げられている。このように黙示録は、神が確かにこの世界、この宇宙、人類の歴史の中に働いていて、最終的には神の正しい裁きが為されて御国が完成することを告げる、信仰者にとっては壮大なハッピーエンドの預言書であり、不信仰者、不敬虔な者にとっては、最後までそのままでいるなら、この世のどんなホラー小説よりも恐ろしい裁きがあることが記されているものなのです。

 では、復習と全体像のことはこの位にして、今日の箇所に入る。7つの鉢による裁きの箇所を一つずつ読み進めて行こうと思う。また、7つの鉢の裁きの災いは、7つのラッパが吹き鳴らされた時に起きた災いと、詳細は別にして、中味と順番が良く似ているので表にしてみた。参考のために使って下さい。

【本論】

(1)地に向けられた第1の鉢による裁き、災い

V1~V2:「また、私は、大きな声が聖所から出て、七人の御使いに言うのを聞いた。『行って、神の激しい怒りの七つの鉢を、地に向けてぶちまけよ。』そこで、第一の御使いが出て行き、鉢を地に向けてぶちまけた。すると、獣の刻印を受けている人々と、獣の像を拝む人々に、ひどい悪性のはれものができた。」

 「ひどい悪性のはれもの」とは何か?これは必ずしも「体の表面に」という言葉がないので、体の中にも出来る悪性腫瘍、癌のことであるかもしれないし、原因不明の新しい病のことであるかもしれない。どちらにしても、人類は創世以来、神のみことばに従わず、この地球を正しく管理してこなかったので、気候変動や環境・経済問題、また核の問題も話し合われているが、依然として良い方向に進まず、ますます悪くなっている。「自ら撒いた種を刈り取っている」ことによる裁きだろう。しかし、それがどんな裁きであっても、この第1の鉢による裁きを初めとして、すべての裁きは神の民、信仰者(黙示録7:3)に対してなされるのではなく、「獣の刻印を受けている人々と、獣の像を拝む人々」、つまり、神に従わない不信仰者、不敬虔な者に対してなされるものである。神の裁きは信仰者には及ばないのである。

(2)海に向けられた第2の鉢による裁き、災い

V3:「第二の御使いが鉢を海にぶちまけた。すると、海は死者の血のような血になった。海の中のいのちのあるものは、みな死んだ。」

 第2のラッパが吹かれた時には海の3分の1が血になり、その中の生物の3分の1が死に、船の3分の1も打ち壊されたが、最後の裁きのここでは、海全体が血に変わり、生物が皆死んだとある。「血」というのは、文字通りの血かもしれないが、ときどき海に生じる血のような赤い「赤潮」かもしれない。これは、海中のプランクトンが環境汚染の影響で大量発生するものである。そのため、海の酸素濃度が低くなり、生物が死んでしまうのである。

(3)川や水源に向けられた第3の鉢による裁き、災い

V4~V7:「第三の御使いが鉢を川と水の源とにぶちまけた。すると、それらは血になった。また私は、水をつかさどる御使いがこう言うのを聞いた。『今いまし、昔います聖なる方。あなたは正しい方です。なぜならあなたは、このようなさばきをなさったからです。彼らは聖徒たちや預言者たちの血を流しましたが、あなたは、その血を彼らに飲ませました。彼らは、そうされるにふさわしい者たちです。』また私は、祭壇がこう言うのを聞いた。『しかり。主よ。万物の支配者である神よ。あなたのさばきは真実な、正しいさばきです。』」

 この血は、今までの環境汚染と言う意味の血ではなく、神が悪しき者たちに為した裁きのために流された彼らの血のこと。「彼らは聖徒たちや預言者たちの血を流しましたが、あなたは、その血を彼らに飲ませました。彼らは、そうされるにふさわしい者たちです。』」とあるように。そして、黙示録6:9~11に、「小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。彼らは大声で叫んで言った。『聖なる、真実な主よ。いつまでさばきを行わず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか。』すると、彼らのひとりひとりに白い衣が与えられた。そして彼らは、『あなたがたと同じしもべ、また兄弟たちで、あなたがたと同じように殺されるはずの人々の数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいなさい。』と言い渡された。」とあったように、悪しき者たちによって殉教した人たちのために、神が為した正しい裁きでもある。私たちは神信仰のために迫害に遭い、殉教することがあるかもしれない。だからこそ、そのような私たちに対して行われた悪に対する裁きは、必ず神が為されるのである。神がもし不正を見逃したら、神は正しい神ではない。神は必ず不義不正を裁かれる神である。

(4)太陽に向けられた第4の鉢による裁き、災い

V8~V9:「第四の御使いが鉢を太陽に向けてぶちまけた。すると、太陽は火で人々を焼くことを許された。こうして、人々は激しい炎熱によって焼かれた。しかも、彼らは、これらの災害を支配する権威を持つ神の御名に対してけがしごとを言い、悔い改めて神をあがめることをしなかった。」

 「太陽は火で人々を焼くことを許された。こうして、人々は激しい炎熱によって焼かれた。」とあるのは、文字通り太陽の熱で焼かれたということだろう。今日では、地球温暖化が問題視され、またオゾン層の破壊から来る紫外線によるに熱傷や皮膚がんや白内障などの健康被害が危惧されている。また、太陽自体が消滅する時には、とてつもないエネルギーを放出するというから、このようなことが起こるのかもしれない。しかし、ここで目を留めたいメッセージは、「しかも、彼らは、これらの災害を支配する権威を持つ神の御名に対してけがしごとを言い、悔い改めて神をあがめることをしなかった。」とあるように、それでも悔い改める人がいないという罪の持つ恐ろしさである。

(5)獣の座に向けられた第5の鉢による裁き、災い

V10~V11:「第五の御使いが鉢を獣の座にぶちまけた。すると、獣の国は暗くなり、人々は苦しみのあまり舌をかんだ。そして、その苦しみと、はれものとのゆえに、天の神に対してけがしごとを言い、自分の行いを悔い改めようとしなかった。」

 「獣の座」とは反キリストの支配のこと。17章に詳しくあるが、患難期に入ると反キリストが現れ、終末時代に生まれる10カ国の連合国家の長として、大バビロンと言われる世界政府を作る。しかし、その支配も打ち砕かれるのである。そして、いつまでも悔い改めようとしない人々は、その滅びの中で苦しむのである。「すると、獣の国は暗くなり、人々は苦しみのあまり舌をかんだ。」とはそのこと。

(6)大ユーフラテス川に向けられた第6の鉢による裁き、災い

V12~V16:「第六の御使いが鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。すると、水は、日の出るほうから来る王たちに道を備えるために、かれてしまった。また、私は竜の口と、獣の口と、にせ預言者の口とから、かえるのような汚れた霊どもが三つ出て来るのを見た。彼らはしるしを行う悪霊どもの霊である。彼らは全世界の王たちのところに出て行く。万物の支配者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを集めるためである。──見よ。わたしは盗人のように来る。目をさまして、身に着物を着け、裸で歩く恥を人に見られないようにする者は幸いである。──こうして彼らは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる所に王たちを集めた。」

 ここは、患難期の終わりに起こるハルマゲドンの戦いの準備のためのところである。何故それが裁きであり、災いなのか、それは、主がハルマゲドン(メギドの丘)に反キリストとその連合軍を集め、キリストとその軍勢によって滅ぼすという計画を立てられたが、出エジプト記のパロのように、神に従わない勢力は、神の計画とも知らずに集められて滅ぼされるということだからである。そのために神は大ユーフラテス川をからせ、東や北からサタンの勢力を集めるのである。そうとも知らずに、サタン、反キリスト、偽預言者の口から出て来た「カエル」、これは悪霊だが、その悪霊が諸国の軍隊を集め、自ら滅びに至るのである。そして、ここでの私たちへのメッセージは、Ⅴ15:「見よ。わたしは盗人のように来る。目をさまして、身に着物を着け、裸で歩く恥を人に見られないようにする者は幸いである。」というもの。イエス様は私たちに、主の再臨は泥棒のようにいつ来るか分からないから、目をさましていなさいと言った。(マタイ24:42~44)また、終わりの時に相応しく、「身に着物を着なさい。」と言った。(マタイ22:12、礼服)。だから、救いの衣を着ていることが大切なのである。

(7)空中に向けられた第7の鉢による裁き、災い

V17~V21:「第七の御使いが鉢を空中にぶちまけた。すると、大きな声が御座を出て、聖所の中から出て来て、「事は成就した。」と言った。すると、いなずまと声と雷鳴があり、大きな地震があった。この地震は人間が地上に住んで以来、かつてなかったほどのもので、それほどに大きな、強い地震であった。また、あの大きな都は三つに裂かれ、諸国の民の町々は倒れた。そして、大バビロンは、神の前に覚えられて、神の激しい怒りのぶどう酒の杯を与えられた。島はすべて逃げ去り、山々は見えなくなった。また、一タラントほどの大きな雹が、人々の上に天から降って来た。人々は、この雹の災害のため、神にけがしごとを言った。その災害が非常に激しかったからである。」

 イエス様は十字架の上で、贖いのわざを終えられて「完了した。」と言われたが、ここでは、「事は成就した。」と、天から大きな声で言われた。御自身のみわざによる最後の裁きの成就の宣言である。そしてその後、稲妻、雷鳴、大きな地震が続くと言う。それは、人類史上無かったほど大きなもので、そのため、「大きな都」である大バビロン、反キリストによって支配されていた都は裂かれ、ソドムのように滅ぶのである。そして、1タラント(35kg)ほどの雹が降って来ても、それでも人々は悔い改めなかったと言う。

【結論】

 ここでの結論は、私たちは決してこのような神の裁きの災いに遭うことはないが、終わりの時代に生きる者として、Ⅴ15にあったように、終わりの時代はいつ来るか分からないから、目をさましていることの大切さであり、救われた者として相応しく、救いの衣を着続けていることである。

―祈り―


 
 
 

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