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2024. 9.15 礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【聖書個所】

箴言3:1~2

【タイトル】

「長寿の祝福」

【前置】

 本日は「敬老の日」、その「敬老の日」に因み、聖書からみことばを語る。と言っても「高齢者を大切にしよう」というメッセージではなく、私たちは皆高齢になって来ていて、一部そうではない人もいるが、いずれ年老いて来るので、「高齢になること、年を重ねることの祝福」、即ち、「長寿の祝福」についてみことばを語る。聖書は長寿について何と言っているか?―聖書個所は、箴言3:1~2です。

【聖書個所】

箴言3:1~2:「わが子よ。私のおしえを忘れるな。私の命令を心に留めよ。そうすれば、あなたに長い日と、いのちの年と平安が増し加えられる。」

【序論】

 パウロは、彼の愛弟子テモテに向けた手紙の中で、次のように言っている。

Ⅱテモテ3:15:「また、幼いころから聖書に親しんで来たことを知っているからです。聖書はあなたに知恵を与えてキリスト・イエスに対する信仰による救いを受けさせることができるのです。」

 これはテモテに対して、「イエス・キリストを信じれば救わる」と、イエス・キリストを信じる信仰による救いの勧めをしているのではなく、もうテモテはこの時点では既に救われていて、パウロの弟子になっているので、そうではなく、テモテであろうと誰であろうと、人は誰でも「聖書に親しんでみことばを学び、みことばから神様の私たちに対するみこころ、御計画を知るならば、その知識により、神様が私たちに与えようとしていらっしゃる祝福を私たちは受けることが出来るのだ。」という知恵について教えているみことばです。

 そう!―聖書は私たちに、聖書に親しみ、みことばを学び、みことばを学ぶことを通して神様を知り、神様を知ることによって神に対する信仰が与えられるなら、その信仰により、神様は私たちに溢れるばかりの祝福を注いで下さるということを教えている。

※聖書はそのように、私たちに対する神様の祝福の約束に満ちている書物です。

【本論】

 今日の「敬老の日」にと選んだ聖書個所もそう。ここにははっきりと、私たちに対する神様の、私たちに長寿の祝福を与えたいと願っている神様のみこころが明らかにされている。もう一度見てみよう。

箴言3:1~2:「わが子よ。私のおしえを忘れるな。私の命令を心に留めよ。そうすれば、あなたに長い日と、いのちの年と平安が増し加えられる。」

 神様は私たちに、「私のおしえを忘れるな。私の命令を心に留めよ。」と言っている。これは、私たちが聖書のみことばを初めから終わりまで全部暗記して、それを覚えて忘れてはならない、心に留めておかなければならないと言うことを言っているのではない。勿論それが出来ることに越したことはないし、それが出来れば素晴らしいことだが

・・・。

 今、自民党の総裁選びを行なっているが、6代目の自民党の総裁になり、64代、65代の内閣総理大臣として、今でも人気のある田中角栄は「歩く六法全書」と言われた。何故「歩く六法全書」と言われたか、というと、彼は1947年、29歳で衆議院議員に当選したが、彼は国会の中でいつも六法全書を持って歩いていたと言う。その後、吉田茂が総理大臣になった時、そのような変わった男がいると言われ、ある時吉田茂に呼ばれた。そこで試しに法律についていろいろ質問してみると、ポンポンと答えが返って来たという。それで角栄は吉田茂に可愛がられて、それから…。そこまで角栄を六法全書に親しんでいたと言う。そしてこれは本当かどうか分からないが、彼は子供の時から吃音持ちだったので、それを直そうと六法全書を声を出して読み、そのお陰で六法全書に通じた人物になったと言う。それが本当かどうかは別にして、彼はそこまで六法全書に親しんだ。

 私たちもそこまで聖書に親しみたいと思う。しかし、それは聖書のみことばを全部暗記すれば良いということではなく、これは優先順位の問題。聖書のみことばを他の何よりも一番にするということです。

 神学校に通っていた頃、ある先生から言われた。「朝起きたら先ず聖書を開け。新聞は朝でなくてもいつでも読める。日々のニュースを知ることが少しくらい遅れても大したことはない。しかし、一日の始まりに神様のみこころを知らないでいることは、信仰者にとって羅針盤を持たない船で出航するようなもの、特に牧会者にとっては、それは致命的だ。」と。イエス様が弟子たちに、イエス様の言うことを聞いて腹を立てたパリサイ人に関して、「盲人が盲人を手引きするなら、ふたりとも穴に落ち込む。」(マタイ15:14)と言った言葉のようなこと。

 今は新聞だけでなく、いろいろな媒体を通していろいろな情報が目に入る、耳に入る。それらによって私たちの思考、人生の羅針盤は作られる。だから、何を見るか、何を聞くかということは大切。なので、聖書は神を第一にすること、神のみことばを第一にすることを求めているのである。

箴言3:5~6:「心を尽くして【主】に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」

※私たちの長寿についてもそう。「わが子よ。私のおしえを忘れるな。私の命令を心に留めよ。そうすれば、あなたに長い日と、いのちの年と平安が増し加えられる。」(箴言3:1~2)とある通り。

 ここで言う、「長い日」は、ただ「長く生きる」ということではない。「人生80年」と言われてだいぶ経ち、今は「人生100年」と言われる時代になり、日本の今の平均寿命は、2023年の統計で、男80.09歳、女87.14歳。また、ただ長く生きれば良いのではなく、健康寿命が大事と言われるようになって、平均健康寿命的にも、2019年のデータだが、男72.68歳、女75.38歳で、どちらも世界一である。しかし、聖書が言う「長い日」とは、ただそのように寿命が長いという「長い日」のことだけではない。「あなたに長い日と、いのちの年と平安が増し加えられる。」とあるように、「いのちの年」と「平安」が増し加えられた日のことである。

 「いのちの年」の「いのち」とは、肉体の命、生物学的生命のことではなく、霊的いのちのこと。聖書で言う「永遠のいのち、まことのいのち」のこと。そして「平安」というのは、この世の状況によらない、イエス様が与えて下さる全き平安です。

ヨハネ14:27:「わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしは、あなたがたにわたしの平安を与えます。わたしがあなたがたに与えるのは、世が与えるのとは違います。あなたがたは心を騒がしてはなりません。恐れてはなりません。」

 この「平安」は、(ギ)「エイレーネ―」で、(へ)「シャローム」のこと。聖書は、私たちが神を第一にして、神のみことばと親しみ、神の教えを忘れず、心に留めて離れずに歩んでいるなら、神は私たちに、「長い日と、いのちの年とこの「平安」という祝福に満ちた長寿を与えてくださるのである。

 そのように歩んだ一人の人物を聖書に見よう。そして、その人が何と言っているかを聞こう。

ヨシュア23:14:「見よ。きょう、私は世のすべての人の行く道を行こうとしている。あなたがたは、心を尽くし、精神を尽くして知らなければならない。あなたがたの神、【主】が、あなたがたについて約束したすべての良いことが一つもたがわなかったことを。それは、一つもたがわず、みな、あなたがたのために実現した。」

 これはヨシュアの、残された民への遺言のようなもの。大事な言葉を遺したのである。

 イスラエルの民はヨシュアに率られてカナンの地に渡って来た。しかし、彼らはヨシュア記を読めば分かるように、何度も主の命令に聞き従わず、主のみこころを損なった。それはモーセに引き連れられてエジプトを出て来た彼らの上の世代の人たちと変わらない。いつも神に逆らい通しだった。

 しかしヨシュアは言う。V14d:「あなたがたの神、【主】が、あなたがたについて約束したすべての良いことが一つもたがわなかったことを。それは、一つもたがわず、みな、あなたがたのために実現した。」と。だから、Ⅴ14c:「あなたがたは、心を尽くし、精神を尽くして知らなければならない。」と。

【結論】

 これが今日のメッセージの結論であり、今日の聖書個所で言う、箴言3:1:「わが子よ。私のおしえを忘れるな。私の命令を心に留めよ。」ということである。

―祈り―

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