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2024. 5.26 礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【聖書個所】

ダニエル11:36~45

【タイトル】

ダニエル書(22)「大きないくさ③―終わりの時の戦い」

【導入】

 この箇所から、今日の私たちが生きている終わりの時代の終末預言に関するメッセージが始まる。主は私たちに何を語っているだろうか?みことばメッセージに耳を傾けよう!

【本論】

V36:「この王は、思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。定められていることが、なされるからである。」

 「この王」とは、シリヤの王アンティオコス・エピファーネスが予型している、終わりの時代に現われる反キリストのこと。確かに反キリストは現われ、ここに記されている通り、「思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。」

 エピファーネスがローマとの戦いに敗れ、憤りに任せてエルサレムの神殿を汚して多くのユダヤの民を殺したように、これから現れる反キリストもそのように振舞い、神の民をその信仰のゆえに迫害する。しかし、それも「憤りが終わるまで」と言う。何故なら、「定められていることが、なされるからである。」抄訳聖書では、「神のみこころによって予め定められていることが、なされるからである。」という。

 すべては神の御手にあり、すべての出来事も、私たちの歴史のすべても神の御手の中にあるのだから、反キリストがどんなに思いのままにふるまっても、それは神が計画した期間、許された範囲のことであって、神の定めの時が来たら、それは終わりを迎えるのだということである。これは、今終わりの時代に生きている私たちが覚えておかなければならない大切なことである。

 ハバククもこの終わりの日の定めについて次のように預言し、当時の人々を励ましている。

ハバクク2:3:「この幻は、定めの時について証言しており、終わりについて告げ、まやかしを言ってはいない。もしおそくなっても、それを待て。それは必ず来る。遅れることはない。」

 私たちの目に、今、理不尽なことや不義不正が為されていても、神の定めの時が来たら、不義なる者は裁かれ、悪しきわざは必ず終わるのだということ。このことを私たちははっきりと覚え、起こる出来事に揺り動かされることなく、歴史の主であり、すべてを治めておられる神に信仰を置こう!

V37~V38:「彼は、先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。すべてにまさって自分を大きいものとするからだ。その代わりに、彼はとりでの神をあがめ、金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神をあがめる。」

 反キリストという者がどういう者であるか、何を企み、何をしようとしているのか、彼の思惑と彼の3つの姿が明らかにされている。

 先ず一つ、すべての偶像の神々以上に自分を大きな者にするということ。「先祖の神々」とはカナンにあったバアルやアシュタロテなどの偶像と、シリヤやエジプト、周辺の国々で崇めらている偶像、そして、「女たちの慕うもの」と言われている、特に女性が好んで礼拝する神々など、それらすべての偶像の神よりも、反キリストは自分を大きな者とするのである。高慢と言っていいだろう。宗教的、政治的に、この世の王として、世界一つにして、すべてを治めようとするのである。それが反キリストの一つの姿。

 二つ目の姿は、「とりでの神をあがめ」とあるように、戦いを好み、武力をもって国々を侵略し、世界を支配しようとする者であるということ。今日もそれらしき者たちがいる。ロシアやハマスなど…。彼らはまだ反キリストではないが、同じような霊を持った人たちだと言えるのではないだろうか。

 三つ目の姿は、「金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神をあがめる。」とあるように、お金や富、経済力で世界を支配し、王として治めようとする。

 よく、終わりの時代にはそのようにして、世界の富を牛耳り、また世界中の人々の経済を支配するために、クレジットカードや世界中の人々の個人情報を手にして、黙示録13章に記されているように、その獣、つまり反キリストの刻印、数字「666」を持っている者以外、買うことも売ることも出来ないような世界経済システムを作り、治める者が現われるというが、それがこのことであるかもしれない。

V39:「彼は外国の神の助けによって、城壁のあるとりでを取り、彼が認める者には、栄誉を増し加え、多くのものを治めさせ、代価として国土を分け与える。」

 興味深いことに、反キリストは「外国の神の助け」とあるように、イスラエルの側から見ているので、彼はイスラエルの味方、或いはイスラエルの内部の者としてよいのかもしれない。事実、反キリストは患難期の初め、イスラエルの味方としてイスラエルと平和契約を結ぶ。しかし、3年半経った後に平和契約を破り、正体を現わして、今まで見て来たように、政治的に、宗教的に、軍事的にイスラエルを中心に世界を支配しようとするのである。それは、ダニエル9:27に記されていた。

ダニエル9:27:「彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」

 異教の国々の助けを借りて「城壁のあるとりで」、エルサレムを攻めとると、ルカ19章でのミナの話があるように、私たちがそれぞれの国を支配するのと同じように、反キリストも一時、彼が支配する国々、町々を支配させるのである。

 V40からは一転して、反キリストの予型であったアンティオコス・エピファーネスと南の王であるエジプトのプトレマイオス6世との戦いの歴史を通した終わりの時の預言が語られている。

V40:「終わりの時に、南の王が彼と戦いを交える。北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて、彼を襲撃し、国々に侵入し、押し流して越えて行く。」すると、

V41~V43:「彼は麗しい国に攻め入り、多くの国々が倒れる。しかし、エドムとモアブ、またアモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。彼は国々に手を伸ばし、エジプトの国ものがれることはない。彼は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。」

 ルブ人とはリビア人、クシュ人とはエチオピア人のこと。アンティオコス・エピファーネスは、このようにしてエジプトと戦いを繰り広げているが、その間に、

V44~V45:「しかし、東と北からの知らせが彼を脅かす。彼は、多くのものを絶滅しようとして、激しく怒って出て行く。彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。しかし、ついに彼の終わりが来て、彼を助ける者はひとりもない。」

 「東と北からの知らせ」とは、シリアとエジプト以外の、イスラエルの周辺にあった国々が、イスラエルに進軍して来るという知らせのことだが、ここから、再び反キリストが現れる終わりの時代の終末預言に切り替わって行く。

 反キリストの現われる終わりの時代になると、東と北の方面からイスラエルを攻略しようとする国が現われるのである。そのことは、エゼキエル38章と39章、また黙示録20:7~9に記されている。その中から、エゼキエル38:14~16を読もう。

エゼキエル38:14~16:「それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。神である主はこう仰せられる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、実に、その日、あなたは奮い立つのだ。あなたは、北の果てのあなたの国から、多くの国々の民を率いて来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。あなたは、わたしの民イスラエルを攻めに上り、終わりの日に、あなたは地をおおう雲のようになる。ゴグよ。わたしはあなたに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがあなたを使って諸国の民の目の前にわたしの聖なることを示し、彼らがわたしを知るためだ。」

 ここに出て来る「ゴグ」というのは、エゼキエル38:1~3:「さらに、私に次のような【主】のことばがあった。「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、言え。神である主はこう仰せられる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。」」の「マゴク」の地の首長である人物。この「マゴク」というのは何処かと言うと、イスラエルから見て「北と東から」とあるので、黒海からカスピ海に挟まれたコーカサス地方を含んだ、今のロシア南部の辺りではないかと思われる。ここに「彼らはみな馬に乗る者で」とあることから、この地域には騎馬民族として有名なコーカサス人が住んでいるので、多少の違いはあってもその辺りだろう。その地方から大集団で、「わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき」とあるように、反キリストとイスラエルとが平和条約を締結して、イスラエルが平和な状態になっているような時に、エルサレムを攻略しようとして攻めて来るというのである。それに対して反キリストも戦い、最終的に、そのような神の介入によって、反キリストは終わりを迎えると言う。

【結論】

 ここでの結論は、Ⅴ36のところで語られたように、すべての出来事は神の御手の中にあるので、終わりの時には反キリストが現れ、戦いや戦いの噂、その他、私たちの心を揺るがすいろいろなことが起こるが、たとえどのようなことが起ころうとも、Ⅴ45:「ついに彼の終わりが来て、彼を助ける者はひとりもない。」とあるように、裁かれるべき者は裁かれる。

 だから私たちは信仰者として、最後まで揺るぐことのない神に目を留めて行くことが大切なのである。最後に、終わりの時に向けてのイエス様のメッセージを読んで、今日のまとめとする。

マタイ24:1~14:「イエスが宮を出て行かれるとき、弟子たちが近寄って来て、イエスに宮の建物をさし示した。そこで、イエスは彼らに答えて言われた。『このすべての物に目をみはっているのでしょう。まことに、あなたがたに告げます。ここでは、石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。』イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。『お話しください。いつ、そのようなことが起こるのでしょう。あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。』そこで、イエスは彼らに答えて言われた。『人に惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそキリストだ。』と言って、多くの人を惑わすでしょう。また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。そのとき、人々は、あなたがたを苦しいめに会わせ、殺します。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての国の人々に憎まれます。また、そのときは、人々が大ぜいつまずき、互いに裏切り、憎み合います。また、にせ預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われます。この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。』」

―祈り―


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