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2023.10. 1 礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【聖書個所】

黙示録1:1:

【タイトル】

黙示録(1)「黙示録は私たちへのラブレター」

【前置】

 いよいよ黙示録のメッセージに入る。黙示録は、聖書の中で唯一、私たちの未来について、正確に言うと、現在と未来について語っている書物です。

 現在と未来についてと言っても、1973年に出版され、250万部近くを売り上げた「ノストラダムスの大予言」という書物、「1999年第7の月に人類は滅亡する」というようなことが書かれたものではなく、そのような人が関心を持ちやすい人間中心的なものではなく、神が私たちの現在と未来に関して関心を持たれている、神の関心、神のみこころ、神の御計画が記されている神中心的なもの、つまり、黙示録は神からの私たちへのラブレターだと言われているが、神の私たちに対する現在と未来に関して、御自身のみこころが、神の愛と共に、黙示=啓示として記されている書簡である。

 黙示、啓示は、英語で言うと、revelation。その動詞は、reveal。それは二つの言葉から成っていて、「re」というのは、多くの場合「再び」という意味合いで使われるが、revealの場合はそうではなく、「反対に、逆に」という意味の「re」が頭に付いていて、その後のvealはveil:「ベールをする、覆う」という言葉なので、revealで「ベールを剥がす、覆いを取り除く」という意味の言葉になる。そして、原語のギリシャ語でも、黙示録のことは「アポカリュプス」と言い、これも「アポ」という「外す」と言う言葉と、「カリュプトー」という「覆いを掛ける」という言葉の二つから成っている。ちょうどrevealと同じように、「覆いを外す」、つまり、「覆われていたものを見えるようにする」、「隠されていたことを明らかにする」という意味の言葉である。だから、黙示録というのは、多くのクリスチャンにとって、「何か覆いが掛かっているようで、よく分からない、難解な書物だ」と言う風に思われているが、むしろ反対で、黙示録は、その覆いを取り外された書簡で、或いは、その覆いを取り外すための書簡で、決して難しい書簡ではないということです。

 なので、この黙示録をこれから読んで行くに当たり、先ずこの二つのこと、①黙示録は、神様の私たちに対する今とこれからのことに関するみこころが啓示されている書物であり、②黙示録は決して難解な書物ではなく、むしろ「難解と思う覆い」が取り除かれた書簡であるということ、この二つを先ず覚えたい。では、早速本文に入る。

【本論】

V1:「イエス・キリストの黙示。これは、すぐに起こるはずの事をそのしもべたちに示すため、神がキリストにお与えになったものである。そしてキリストは、その御使いを遣わして、これをしもべヨハネにお告げになった。」

 先ず黙示録というのは、日本語聖書では書名が「ヨハネの黙示録」となってはいるが、これは原語、英語の聖書で言っても「ヨハネへの黙示録」ということであって、その内容が、Ⅴ1にあるように「イエス・キリストの黙示」、つまり、「イエス・キリストによる、イエス・キリストについてのヨハネへの黙示録」であるということです。

 そして、その黙示の内容は何かというと、「これは、すぐに起こるはずの事をそのしもべたちに示すため、神がキリストにお与えになったものである。」ということです。では、誰に「すぐに起こること」なのか?―それは、「そのしもべたち」、つまり、AD1世紀の終わり、この時ヨハネはイエス様が選ばれた12弟子の生き残りとして、他の11人は皆迫害によって殉教したが、ヨハネだけは殉教を免れて、エペソの南西90kmのところにあるエーゲ海上の島、パトモスという島に島流しに遭い、幽閉されていたので、AD1世紀頃の時代の「しもべたち」、教会、クリスチャンたちに「すぐに起こるはずのこと」として記されているのである。それを神がキリストに示し、そしてキリストによって当時の教会に、クリスチャンに、これからすぐに起こることを示すというのです。さて、この箇所を抄訳聖書で読んでみよう。

詳訳聖書:V1a~b:「〔これは〕イエス・キリストの黙示<彼が神の秘事をそのおおいを取って示されたもの>〔です〕。神は、必ずすぐに<すみやかに>そのまま起こる事柄を、彼〔キリスト〕に<結びつけられた>しもべたちに示す<知らせる>ために、これ〔黙示〕を彼〔キリスト〕にお与えになりました。」

 何故しもべたちに示された、また、私たちに示されるのだろうか?―それは、皆さん覚えているだろうか?イエス様が最後の晩餐の席で、十字架に架けられる前、ゲッセマネの園に行かれる前に、何とイエス様が父なる神様に祈られたかを!―同じヨハネが、福音書の中でそれを明らかにしている。

ヨハネ17:11:「わたしはもう世にいなくなります。彼らは世におりますが、わたしはあなたのみもとにまいります。聖なる父。あなたがわたしに下さっているあなたの御名の中に、彼らを保ってください。それはわたしたちと同様に、彼らが一つとなるためです。」

同V14~V15:「わたしは彼らにあなたのみことばを与えました。しかし、世は彼らを憎みました。わたしがこの世のものでないように、彼らもこの世のものでないからです。彼らをこの世から取り去ってくださるようにというのではなく、悪い者から守ってくださるようにお願いします。」

同V26:「そして、わたしは彼らにあなたの御名を知らせました。また、これからも知らせます。それは、あなたがわたしを愛してくださったその愛が彼らの中にあり、またわたしが彼らの中にいるためです。」

 これで、黙示録が、イエス様からの、神様からの私たちに対するラブレターであることが分かるだろう!―イエス様がどれほど熱く、私たちの救いと守りのために、そして最後は私たちといつまでも共にいることが出来るようにと、熱心に父なる神様に願っているかを!祈っているかを!

※何てイエス様の愛は、また神様の愛は素晴らしいのだろう。今にも十字架に架かって死のうとしているのに、私たちに対する愛を、こんなにもはっきりと私たちに語っているとは!ハレルヤ!神様の愛は、海よりも深く、空よりも広い、計り知れないほど大きな愛なのである。

賛美:「空」―♪空を見上げた。この高い空を。イエス様の愛は、空より広い。人の苦しみを、その悲しみを、その痛みを、同じくらい、分かり合えると、思っていた。本当の自分の、愛の無さに、気がついたとき、弱い自分が、悲しくて、涙が出た。空を見上げた。この高い空を。澄んだ碧い空は、果てしなく広い。空を見上げた。この高い空を、イエス様の愛は、空より広い。♪

詳訳聖書:V1の後半:「そして彼〔キリスト〕は、その御使い<使者>を遣わし、〔彼〕を通して(〔彼〕とはキリストでもあり、また御使いでもある)、<彼に結ばれた>しもべヨハネにそれを伝えられました。」

 それで、黙示録は原語的に、また意味的には正しくは「ヨハネへの、イエス・キリストによる、イエス・キリストについての黙示録」ということになる。そして、そこには神の愛が隠されたかたちではあるが、覆われたかたちではあるが、語られているのである。

【結論】

 今日のところはここまで。そして、今日は予め、この黙示録がどのような構成になっているか、どのような流れで記されているかを、今後の学びのこともあるので、終わりに簡単に説明しておきたい。

 ポイントは、特に一番難解と言われている4章~19章の「これから起こるはずの事」としての患難期の出来事のことです。先ず初めに、6章~8章で、一つの巻物が7つの封印で封じられていたが、その7つの封印が解かれる度にヨハネの見た幻、黙示のことが記され、またその後、7つのラッパが吹き鳴らされる度にヨハネが見た幻のことが8章~11章に記され、そして最後に、12章~19章で、7つのラッパが吹き鳴らされた後のことと、7つの「神の激しい怒りが満ちた金の鉢」が地に向けてぶちまけられた時に見た幻のことが記されているが、それらは必ずしも時系列ではなく、重なり合うように記されているということ。そのために難解に思われてしまうのだろう。その辺りのこともプリントに表で、またイラストで記している。

 そして最後に、もう一度覚えて欲しいことは、それらさまざまな出来事の底流には、変わることのない神の私たちに対するみこころ、御計画、そして、変わらぬ愛があるということです。そのことを初めに先ずしっかりと覚えたい。

引用:昨日(9月30日に杉戸教会にかかって来た電話。「どうして不幸が、死が、災いがあるのか?…。エレミヤ29:11、イエス様の十字架の意味、神の愛について伝えたが、分からなかった。」)


※私たちは、私たちの人生において起きるさまざまなことについて、原因、理由ではなく、目的、意図を理解しなければならないのである。そういう意味でも、黙示録を通して、神の私たちに対する意図、目的、みこころ、御計画を知ろう!

―祈り―


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