2026.10.18 礼拝メッセージ:金子辰己雄師
【タイトル】:使徒の働き(1)「使徒の働きの始まり」
【聖書個所】
使徒1:1~2:「テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、1:2お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。」
【前置】
今日から使徒の働きの講解説教を開始する。目的は、来年以降のテーマでもある「教会の弟子化、弟子化する教会」の準備のため。10月3日に行なった「聖霊の賜物セミナー」もその一環であり、聖書は私たちにキリストの弟子になること、キリストの証人になることを求めているからである。
マタイ28:18~20:「イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。28:19それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、28:20また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
ここで命じられている「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。」(V19a)は、イエス様が昇天される前の、11弟子たちに語られたイエス様の遺言的弟子作り命令です。この弟子作り命令を実践するためには、「使徒の働き」を学ぶことは欠かすことは出来ない。
【序論】
「使徒の働き」を一つの本とするなら、本には、タイトル、著者、出版された年月、前書きに「この本を〇〇にささげます。」と、その本が完成するまで支えられた人々の名前が記されているが、そのように、誰に向けて書かれたものか、誰に捧げるために書かれたものかが記されている。今日は、講解説教の始めとして、「使徒の働き」という書簡そのものについて学ぶ。「使徒の働き」の緒論、始まりである。
V1~V2:「「テオピロよ。私は前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き、1:2お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。」
【本論】
(1)タイトルについて
初めに言ったように、すべての本にはタイトルがある。どうしてこの本が「使徒の働き」というタイトルになったか?―それは、この後、この「使徒の働き」を書いたのがルカであることを言うが、2世紀の半ばまでは、この書簡は、ルカの福音書の第2部或いは続編のような取り扱いを受けていた。しかし、2世紀の終わり頃に、教父と呼ばれる、使徒の後を継ぐ人々か、当時の神学者たちによってだろうが、「ムラトリ正典目録」というものが出来、その中で、何が新約聖書の中に納められなければならないかというのが書かれ、その中で、「使徒の働き」はルカの福音書と別にリスト入りされ、「使徒の働き」となった。そして内容的にも、聖霊のバプテスマを受けた12使徒の内のペテロの働きが15章の前半迄に、9章からの後半は、12使徒ではないが、パウロ自らが選ばれた「使徒」として、多くの書簡の始めに書いてあるように、彼の使徒としての働きが記されている。なので、これは「使徒の働き」と言うタイトルに相応しいが、中を読むと、使徒ではない執事のステパノの働き(6章~8章)やピリポの働き(6章、8章)が記されている。また、バルナバやアボロの働き、イエス様の実の兄弟であるヤコブの働き(使徒15章)も記されている。なので、「使徒の働き」というタイトルでは駄目ではないかと思われるが、それで良いのである。それは、「使徒」というのは「遣わされた者」という意味の言葉で、これは使徒13:2~4にあるように、パウロとバルナバがアンテオケ教会から、聖霊によって送り出された、遣わされたことから始まっているからである。イエス様が選んだ12使徒の働きに限定されているわけではない。
使徒13:2~4:「彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、『バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい。』と言われた。13:3そこで彼らは、断食と祈りをして、ふたりの上に手を置いてから、送り出した。13:4ふたりは聖霊に遣わされて、セルキヤに下り、そこから船でキプロスに渡った。」
そして、この「遣わされた」ということが、使徒1:8の聖霊のバプテスマを受けた兄弟たちが、聖霊の力を受けてキリストの証人になる、ということに繋がっている。
使徒1:8:「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」
なので、タイトルの「使徒の働き」は、キリストの証人となった「弟子の働き」、聖霊のバプテスマを受けたキリストの体である「教会の働き」、そして、今日までも続いている「私たちの働き」と言っても良い。そして、私たちが続編を書いている。
※しかし、忘れてはならない一番大切なことは、それを可能にしている「聖霊の働き」だと言うこと。聖霊の働きが始めになければ、使徒の働きは無い、私たちの働きは無いのである。
(2)著者について
著者がルカであることについては、この使徒の働きがルカの福音書の続編として考えられていたように、内容において、また他の書簡との関連からも、著者がルカであると特定することが出来る。
ルカ1:1~3:「私たちの間ですでに確信されている出来事については、初めからの目撃者で、みことばに仕える者となった人々が、私たちに伝えたそのとおりを、多くの人が記事にまとめて書き上げようと、すでに試みておりますので、1:3私も、すべてのことを初めから綿密に調べておりますから、あなたのために、順序を立てて書いて差し上げるのがよいと思います。尊敬するテオピロ殿。」
とあるように、ルカはテオピロというローマ政府の高官の一人と言われている人に、この人もキリストについての教えを受けていたようなので、イエス様の誕生の出来事から始まって、イエス様の為されたみわざの顛末を書き、そして、その続編の形で使徒の働きを書いた。そして、他の書簡との関連からも、著者はルカであることが分かる。それは(4)の「執筆場所と執筆年代」の所で詳しく。
(3)誰に向けて書いたのか?
テオピロという人物であるが、彼の名前の意味が「神に愛されている人」とあるように、この使徒の働きを読んでいる私たち「神に愛されている人」すべてである。
(4)執筆場所と執筆年代
執筆場所は、ローマでの第1回目の獄屋生活の時である。そのことは使徒28章に記されている。使徒28:30~31にあるように、その時パウロはローマに2年間いたが、ルカもこの時ローマでこの使徒の働きを書いたのである。そのことは、コロサイ4:14で分かる。
コロサイ4:14:「愛する医者ルカ、それにデマスが、あなたがたによろしくと言っています。」
コロサイ書は、パウロが第1回目のローマでの獄屋生活を送っている時に、エペソの手紙などと共にコロサイの教会に書き送った手紙である。その中で「愛する医者ルカ」と言うように、ルカはパウロの第2回伝道旅行の途中の、マケドニアに渡る手前のどこかで伝道旅行に加わり、第3回の時も、ピリピからパウロたちの旅に加わり、その後、エルサレムでカイザルの法廷に直訴したことにより、ローマに行く時もパウロの一行に加わっている。だから、年代は紀元61年頃と考えられる。
使徒16:10:「パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。」
使徒27:1:「さて、私たちが船でイタリヤへ行くことが決まったとき、パウロと、ほかの数人の囚人は、ユリアスという親衛隊の百人隊長に引き渡された。」
それぞれに「私たち」という言葉があるように、ルカは自分を含めてそう書いたのである。だから、この「使徒の働き」はルカが書いたことであると分かる。
【結論】
今日は、「使徒の働き」の書簡が、いつ、どこで、誰によって、誰に向けて書かれたものなのかという、緒論、イントロダクションを語った。
―祈り―
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<考えてみよう>
1.「使徒の働き」は、いつ頃、どこで、誰が書いたものか?
2.使徒とは誰を指しているでしょう?―使徒を使徒足らしめているものは何でしょう?
3.その使徒とあなたとの関係は何でしょうか?あなたは自分を使徒と呼べるでしょうか?

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